SWOT分析とは、現状分析のために使われるフレームワークです。SWOT分析を活用できれば、今まで見落としていたビジネスチャンスを見つけることができます。これを使わない手はありません。 この記事ではまず、SWOT分析の定義を解説します。また、SWOT分析を実践できるように、やり方や具体例なども分かりやすく解説します。 この記事を読んでSWOT分析の全体像を把握し、マーケティングに活用しましょう。 【マーケ初心者必見】SWOT分析など6000本の講座が受け放題な『Schoo』
SWOT分析とは?
SWOT分析とは、マーケティング手法の一つです。企業の「内部環境」「外部環境」をそれぞれカテゴリーを2つずつに分けて、4つの項目について分析します。
SWOT分析とは?Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)SWOT分析の重要性SWOT分析の具体例分析結果分析結果の活用例SWOT分析の方法事前準備をする外部環境(機会・脅威)を分析する内部環境(強み・弱み)を分析するSWOT分析表を作りましょう「クロスSWOT分析」を行いましょう具体的なアクションプランを立案して実行に移しますまとめ
「内部環境」→『Strength(強み)』『Weakness(弱み)』というカテゴリーに分けます。「外部環境」→『Opportunity(機会)』『Threat(脅威)』というカテゴリーに分けます。
これらの4つの項目について分析し、方向性や改善策を洗い出すことで、新たな経営戦略を導きだしていくのです。SWOT(スウォット)は4つの項目の頭文字を取っています。 参考:顧客理解を深めるたった一つのコツ「顧客視点」の体得方法まとめ
Strength(強み)
技術力の高さや長年の運用経験など、目標達成に貢献する企業内部の特徴です。 ユーザーがなぜ自社サービスや商品を利用してくれるのか、などの自社の長所を指します。
Weakness(弱み)
自社の弱みや苦手な部分で、目標達成の障害となる企業内部の特質となります。 コストやリソースなどで競合よりも不足している部分や、情報の打ち出し方などが自社が苦手とする部分です。
Opportunity(機会)
自社にとってビジネスチャンスとなるような環境変化の中、目標達成に貢献してくれるであろう外部の特質となります。 徹底的にデータを収集した結果、どれほど小さなことでもチャンスとなりうる要因であれば、この「Opportunity」になり得ます。
Threat(脅威)
自社の強みを打ち消してしまう危険性がある環境変化や、競合他社の動きなど、目標達成の障害となる外部の特質となります。 外部要因のため、自社の企業努力だけで対処できない部分もありますが、脅威を知ることで新たなビジネスチャンスの抽出もできます。
SWOT分析の重要性
SWOT分析では「内部環境」と「外部環境」の良し悪しを明確にしていきます。内部環境とは「自社の独自資源」、外部環境とは「政治・経済、技術革新、社会動向、顧客ニーズなど市場の競争環境から導きだされるもの」で、自社ではコントロールできない領域にあります。 このSWOT分析は、情報収集→課題発見→アイデア着想→アイデア実行・修正というマーケティングの4段階のうち、「アイデア着想」のフェーズで役立ちます。 4C・経営資源の5視点・イノベーター理論で収集した情報をもとに、PEST分析・3C分析で課題を発見します。その課題を解決するためのアイデアを着想するためのフレームワークの一種がこのSWOT分析なのです。 参考:営業戦略とは?売上目標を最大化する戦略の立て方と活用すべきフレームワーク SWOT分析を含めたマーケティング全体のフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説されているので興味がある方はご一読ください。 参考:マーケティングをまるごとフレームワーク化!押さえるべき8つの枠組み|LISKUL
SWOT分析の具体例
SWOT分析についての理解をより深めるため、実際にこの分析が行われている例を見てみましょう。 ここでは、駅ビルにある本屋を例としてご説明します。
分析結果
分析結果の活用例
文房具を扱った書籍と文房具をコラボさせ、上手く文房具をレイアウトすることで競合店舗にはできない手法を目指す。=StrengthとOpportunityを掛け、かつThreatを克服する。余ったスペースをカフェ併設のために利用し、タダの立ち読みを飲食代という収益に変える=StrengthとOpportunityを掛け合わせる。名門小学校の近所ということで、子供の教育に熱心な親が子供を訪れることも多く、絵本から、知育雑誌・幼児教育本を揃えることで、品揃えに特徴を出す。=Opportunityを伸ばし、Weaknessを補う。
SWOT分析の方法
SWOT分析についての理解が深まったところで、ここでは実際の分析方法をご紹介します。
この手順にのっとって作業すれば、誰でもSWOT分析を実践できます。 ここでは、先ほど例に挙げた自家焙煎珈琲店を例にとって解説します。
事前準備をする
自分の立場、相手(顧客)分析を行う目的をはっきりとさせる。業界やライバル店舗の現状を把握する。自社の現状を把握する。自社の商品やサービスが選ばれている理由を把握しておく。外部環境がどう変化するかという仮説を立てる。
外部環境(機会・脅威)を分析する
内部環境は、外部環境に影響される可能性がありますので、まずは外部環境である「Opportunity(機会)」と「Threat(脅威)」から分析を始めることをおすすめします。 上述の本屋を例にとってご説明しましょう。
「Opportunity(機会)」を書き出します。
「Threat(脅威)」を書き出します。
内部環境(強み・弱み)を分析する
外部環境が書き出せましたら、つぎに内部環境である「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」の分析を始めましょう。
Strength(強み)を書き出します
Weakness(弱み)を書き出します
SWOT分析表を作りましょう
要因が特定されましたら、それを表に記載してみましょう。
「クロスSWOT分析」を行いましょう
SWOT分析をベースとして戦略を立てるために「クロスSWOT分析」を行います。実際に戦略や戦術策定、計画に落とし込むために、4つの項目それぞれを掛け合わせて、分析していきます。
強み × 機会:機会をうまく自社の強みで取り込むためにできることは?
機会 × 弱み:弱みを補強して機会をつかむためにできることは?
弱み × 脅威:自社の弱みを理解し、脅威による影響を避ける、もしくは最小限にするためにできることは?
以上のように「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4項目をそれぞれクロスさせて分析することで、効果的・効率的なITサービスマネジメントを実現できる道筋がより具体的になってきます。
具体的なアクションプランを立案して実行に移します
最後に、クロスSWOT分析での内容を基に、今後とるべき戦略や戦術、具体的な計画に落とし込んでいきましょう。また、戦略のレビューをおこない課題点などが出てきた場合は、再度戦略の見直しをしましょう。 参考:営業戦略とは?売上目標を最大化する戦略の立て方と活用すべきフレームワーク
まとめ
SWOT分析についてご理解いただけましたでしょうか。SWOT分析を行うことで、自社にとっての市場機会、事業課題、見落としていたビジネス機会などを発見できます。自社の現状を多面的に把握・発見するためのフレームワークとして、SWOT分析を活用していただければ幸いです。 ただし、SWOT分析は一回やったら終わりではなく、その時の環境に応じて繰り返し行うことをお勧めします。時間がたてば、内部環境も外部環境もどこかが必ず変化します。同じ組織や同じポジションにあったとしても、分析から導き出される結論には違いが現れ、より現実的な計画の立案が可能になるはずです。 分析には時間と労力がかかりますが、目標をもって分析することで効果的な戦略を練ることができるでしょう。
参考にしたサイト
wikipedia|SWOT分析 KAIROS|【決定版】SWOT分析のやり方|事業の成功要因と方策を導き出すための手順SynapseConsulting|SWOT分析のやり方とよい戦略目標を作るコツ STRATEGYTACTICS|戦略フレームワーク:SWOT分析の正しい使い方 株式会社いないいないばあ|【3分でわかる】マーケティングのSWOT分析 コトバンク| SWOT分析とは マーケティングイノベーション|【SWOT分析編】ビジネスパーソンなら知っておくべき基本フレームワーク SWOT分析とは|誰にでもできるSWOT分析のやり方 セールスマーケティングラボ|【マーケティングの基本】SWOT分析とは?事例をもとに紹介