実は、これが失敗の始まりなのです。 わからないながらも目標を数字で明確にしておくことが成果を上げる第一歩です。 本記事では、リスティング広告の開始にあたり、最初の予算と目標となる獲得単価(CPA)や獲得件数の設定方法について解説します。 ※本記事は無料Ebook「リスティング広告スタートアップガイド」より、一部抜粋し再構成した記事です。 本記事のもとになった、リスティング広告で成果を出すための全手順をプロがまとめた60ページフルカラーの資料を以下でまとめています。無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。 リスティング広告の予算を算出する方法
まず決めるべきは、許容できる獲得単価「CPA」
「最初の予算はいくらにすればよいでしょうか?」という質問を数多く受けてきましたが、まず決めるべきは許容できるコンバージョン1件あたりの獲得単価「CPA」と答えています。
まず決めるべきは、許容できる獲得単価「CPA」1件獲得あたりに許容できる広告費用をまず算出許容CPAをどれだけ高く設定できるかが規模を取るための競争優位性リピートが見込める場合はLTVベースで計算する損益分岐点を超えるためには、規模を取る必要も許容CPA×目標獲得件数=必要予算本当に市場があるか?をキーワードプランナーで確認するまとめ:ここではしっかり「決める」ことが大切
CPAが決まれば、期待する獲得件数をかけ算することで必要な予算が決まってきます。 逆に予算を先に月間10万円と決めた後、フタを開けてみたら獲得単価が4万円でした、となってしまうと2~3件しか獲得できないことになります。毎月2~3件の獲得のために手間を掛けてリスティング広告を運用するのかどうかの判断が必要になってきます。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫)
1件獲得あたりに許容できる広告費用をまず算出
CPAの決め方で最もシンプルなものは、以下の図のように、売上単価から、原価や人件費・確保したい利益を差し引いた金額をCPAとするものです。 この方式は、CPAを守れば確実に利益が出る一方、目標のCPAの許容額が小さくなりがちです。
許容CPAをどれだけ高く設定できるかが規模を取るための競争優位性
リスティング広告は競争が激化しているため、先ほどの「売上単価から、原価や人件費・確保したい利益を差引いて算出」という方法で算出したCPAでは競争優位性が無く、規模を取ることが難しくなります。 どういうことかと言うと、貴社の許容CPAが2,000円で、仮に想定CVRが2%だとすると、以下の公式に当てはめると、許容できるクリック単価は40円となります。
もし、競合他社の許容CPAが20,000円で、想定のCVRが1%だとすると、許容CPCは200円となります。したがって、自社が上限CPC40円までしか入札できないところ、他社は200円まで入札できることになります。 リスティング広告は、基本的には入札額で順位が決まってきますので、競合が上位を取り、自社は下位や2ページ目以降の表示となり、ほとんど広告が露出されなくなります。 リスティング広告では、許容CPAをどれだけ高くできるか?によって獲得規模の優位性が出てくるのです。
リピートが見込める場合はLTVベースで計算する
では、許容CPAを高くするために、競合他社はどうしているのでしょうか? 「フロントエンド商品」を設定し、その後の「バックエンド商品」の利益も含めた顧客単位での利益(=LTV)をベースに算出しています。
※「フロントエンド商品」「バックエンド商品」については、以下の記事をご参考ください。フロントエンド商品とバックエンド商品|具体例と活用法 http://liskul.com/wm_fp_bp-6099
損益分岐点を超えるためには、規模を取る必要も
「LTVを加味してCPAの上限を上げて規模を増やそうとするのは広告代理店が広告費を多く使わせて自分の利益を増やしたいからである」という論調があります。 しかし、広告主の視点でも、ある程度の規模を狙いに行く必要があります。 よくある声として「当社は細々とでも利益が確保できれば良いので目標CPAは単体で採算があう水準にしたい」ついては数が取れなくても良いのでCPA2,000円をキープするという目標設定をしたとします。仮にその結果、月間20件しか売れなかったとします。 変動費だけで考えれば、採算がとれているように見えますが、共通コストである固定費、特に担当者の人件費を考えると赤字になってしまいます。 固定費をカバーするには一定以上の規模を求める必要が有ることを忘れないようにしましょう。
許容CPA×目標獲得件数=必要予算
算出した許容CPAに目標となる獲得件数を掛け算すれば必要予算になります。 このように規模を取っていくためにも許容CPAを高めに保てる体制を作ることが重要です。そのためにはLTVを高める必要があります。LTVを高めるには、フロントエンド商品で数を確保した上で、バックエンド商品を複数回買ってもらえるような仕組みづくりが必要です。
本当に市場があるか?をキーワードプランナーで確認する
これまでのプロセスで仮決めした許容CPAと獲得件数で本当に市場があるかどうかをキーワードプランナーで確認します。
例えば、CPA10,000円で、月に100件獲得するので、予算を100万円と設定した場合、 わかりやすくするために仮に「雑炊ダイエット」1ワードのみに出稿するとします。 月間の検索ボリュームは1600しかないため、CTRが5%、CVRが5%でも、月間4件しか獲得できません。他のキーワードも含めて、相当多くのキーワードに出稿しないと、100件の獲得は難しくなります。 キーワードを広げれば広げるほど、関連性は薄くなり、CTRやCVRが低くなるため難易度も上がっていきます。この場合、本当に100件が必要であればリスティング広告だけでなく、他の手法も含めて検討する必要があるでしょう。
まとめ:ここではしっかり「決める」ことが大切
リスティング広告の予算を決めるのは非常に難しい問題です。ここでは許容するCPAの金額を決めて、固定費を賄うために必要な売上から、目安となる獲得件数を決め、必要な予算を算出する方法を説明しました。 実際に運用する中で修正をかけていくものではありますが、最初にまず明確に目標となる数字を決めて、記録しておくことが重要です。 なお、本記事の内容は、無料Ebook「リスティング広告スタートアップガイド」より抜粋したものです。「リスティング広告スタートアップガイド」では、リスティング広告の小手先のテクニックだけではなく、リスティング広告以前の上流の考え方も数多く紹介しています。 もし、ご興味をお持ち頂けたら、以下のページより無料でダウンロードできますので、ぜひ入手してお読みください。 【無料Ebook】リスティング広告スタートアップガイド 【少額・スポット可】ネット広告運用の二次代行サービス「AG-Boost」