BigQueryは、様々なデータの保管・分析が可能なクラウド型のデータウェアハウスです。 スプレッドシートやGoogleアナリティクスなどのGoogle関連サービスとの親和性が高く、またGoogleデータポータルなどのBIツールと連携することで、マーケティングデータを簡単に閲覧・共有することができます。 そんなBigQueryと広告レポートツール「ATOM」を連携することで、簡単にBIツールにデータ出力が可能になるという、ATOMの「BigQuery連携機能」について、ATOM事業本部・プロダクトマーケティングマネージャーの志方さんに話を聞きました。 ATOMとBigQueryを連携することで何を実現できるのか、どのような方におすすめなのかをお話しいただいています。 広告レポート作成自動化ツール『ATOM』
BigQueryとの連携で、BIツール上でデータを可視化できる
SO Technologies株式会社 ATOM事業本部・プロダクトマーケティングマネージャー 志方 一央 氏
BigQueryとの連携で、BIツール上でデータを可視化できるExcelレポートを脱却し、BIツールに移行したい人におすすめデータ活用が広告会社の差別化のカギになる手順書に沿って設定するだけで簡単に導入可能料金のシミュレーションを無料で作成可能変化に強い組織を目指して、データ活用のはじめの一歩を小さく・素早く・簡単に踏み出してほしい話を聞いた人
――ATOMの「BigQuery連携機能」とはどのような機能でしょうか? 志方さん:「BigQuery連携機能」は、弊社の広告レポートツール「ATOM」のデータベースから、お客様のBigQueryに広告データを出力することができる機能です。 普段ATOMが取得している各媒体の広告配信データを、お客様側の所有しているBigQueryに出力し、BigQueryのデータをGoogleデータポータルなどのBIツールと連携して、ダッシュボード上で可視化できるようになります。 BigQuery連携機能の概要(社内資料より抜粋) 志方さん:BigQueryはデータを保持するための「箱」の役割と、SQLを使ってデータを整形・加工する役割の大きく2つがあります。 ATOMではSQLのコードを書かなくても良いように、あらかじめデータを整形・統一しており、BigQueryはそのデータを格納する「箱」として活用しています。 ですので、GoogleデータポータルなどのBIツールを使いたい場合は、連携したその日からすぐに簡単操作で使えるようになります。 参考:高速データ分析ができるBigQueryとは?費用や事例も詳しく説明
Excelレポートを脱却し、BIツールに移行したい人におすすめ
――どういう方におすすめでしょうか? 志方さん:まず、本機能ではATOMとBigQueryを連携することになるので、当然ながらATOMを契約していただいている方にお使いいただける機能になります。 ATOMは広告レポートの自動作成ツールです。Excelやブラウザ上でのレポート作成が可能です。 主に、Web広告運用をされている広告会社の方々にお使いいただいています。 参考:リスティング広告の業務効率化!作業時間を8割削減した「ATOM」とは!? なかでも、広告レポートをExcelから脱却したい、Googleデータポータルを使いたいというお客様からよくお問い合わせをいただきます。 Excelは使いこなせればカスタマイズ性に優れる一方で、関数が難しかったり設定が面倒という欠点があります。 また、Excelの場合は月次・週次のような期間ごとにファイルを作成するため、データが分断され、月を跨いだ数値確認のし辛さなどの問題があります。 そうしたところから、Googleデータポータルを始めとしたBIツールへの移行を検討される方が多いですね。 参考:Googleデータポータルとは?機能・メリット・注意点・導入方法まで解説! ――BIツールを使うメリットは他にもありますでしょうか? 志方さん:Excelと比較すると、視覚的に見やすい・分かりやすいというのがあります。 以下は、ATOMが用意しているGoogleデータポータルのテンプレートのサンプルです。このような見やすいレポートを、直感的な操作で簡単に作成できるのがBIツールです。 Googleデータポータルのテンプレートサンプル 志方さん:またレポートの共有も簡単にすることができます。権限の設定をしたら、あとはURLを共有するだけです。 Excelだと、レポートを作成してメールやチャットツールで送付という工程が必要になりますが、BIツールなら広告主様が見たいタイミングで最新のレポートを見ていただけます。 広告会社にとっても都度発生していたレポートの送付の必要がなくなるので、お互いにメリットがあります。 特に、案件数の多い広告会社ほど連絡の工数が大きいので、ここに価値を感じていただけると思います。 他には画像レポートを扱いやすくなるというメリットもあります。 画像レポートをExcelで作成すると、かなりファイルが重くなり作業負担が大きくなってしまうのですが、BIツール上であればそうしたことがなく高速で作成が可能です。 その他、以下に一つでも該当される方は、BigQuery・BIツールの活用を検討したほうが良いと思います。 BIツールについては詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご一読ください。 参考:BIツールとは?活用の目的と導入段階で確認したい選び方の2つのポイント 【2022年版】BIツール厳選31選を徹底比較!絶対失敗しない選び方のポイントまで解説
売上予測や進捗状況の把握のため、全案件の把握をできるダッシュボードが欲しい運用者が複数チームに分かれていて、ノウハウ・トレンドの共有ができていないデータが分断していて、広告成果の分析が難しいデータソースごとに異なる分析ツールを使ってアウトプットしていて、分析結果に対する認識の齟齬が各部署で発生している運用担当から請求用のExcelが届かなくて残業になってしまう
データ活用が広告会社の差別化のカギになる
――BigQueryを活用することで、どういったことが実現できるのでしょうか? 志方さん:社内に保有しているデータを活用したマーケティング施策を実施できるようになるというのが、私が考えるBigQueryなどのデータウェアハウスを活用すべき理由です。 例えば、業界・業種ごとのデータをまとめて分析することで、その業界ごとの傾向や有効な施策を分析することができます。そうしたことができれば、各広告会社にとっても大きな強みになると思います。 データウェアハウスなしで上記をしようとすると、広告アカウントごとにデータ(レポート)を出力して、それらを一つにまとめて分析するという流れになります。 しかしこれはかなり大変な作業です。媒体や案件数が増えれば増えるほどアカウント数が増えていきますし、アカウントごとにデータの項目が異なっていることがほとんどなので、まずそこを揃えることから始めないといけません。 しかしBigQueryであれば、同じテーブルにデータをまとめることができるので、簡単に分析が可能です。 データウェアハウスのイメージ(社内資料より抜粋) ――ビッグデータを活用するうえで、データウェアハウスは欠かせないものなのですね。 志方さん:また最近ではcookieの規制が強まっており、ファーストパーティデータ(1st Party Data)や広告データなどを統合的に活用することが求められています。 その文脈においても、データを統合管理できるデータウェアハウスはやはり必須な存在だと言えます。
手順書に沿って設定するだけで簡単に導入可能
――導入までの流れを教えてください。 志方さん:おおまかな流れは以下の通りです。 お客様に実施していただくのは、「3の初期設定」までです。その初期設定についても、手順書に沿って実施していただければ簡単に行っていただけます。 ――SQLを使える人がいなくても大丈夫でしょうか? 志方さん:BIツールに出力したいということであれば、SQLを扱えなくても問題なくお使いいただけます。 先ほどお見せしたように、ATOMではGoogleデータポータルの無料のテンプレートをご用意しておりますので、そちらを使っていただければ簡単にレポート作成が可能です。 もしテンプレートをカスタマイズしたいということであればSQLは必要にはなります。 例えば、一部のクライアントだけのダッシュボードを別で作成したいという場合です。 この場合も、ATOMのヘルプページにコードのサンプルをご用意しているので、そちらに従って作業をしていただければ大丈夫です。 またユーザー向けの勉強会も実施していますので、ぜひそちらもご活用ください。
料金のシミュレーションを無料で作成可能
――BigQuery連携機能の費用について教えてください。 志方さん:新規のお客様の場合、ATOMの初期費用10万円にBigQuery連携機能も含まれる形となります(BigQuery連携機能の初期費用はなし)。 現在ATOMをご契約中のお客様の場合は、追加費用なしでご利用いただけます。 ただし、BigQuery連携機能のベースである「Google Cloud」のご契約主体はお客様になるので、BigQueryの利用でかかった費用はお客様からGoogle側にお支払いいただきます。 Google Cloudの料金については、Cloud StorageとBigQueryの料金のシミュレーションをお出ししています。 無料でシミュレーションを作成しますので、どの程度の費用になるか不安という方や、社内稟議を通すために費用を算出したいという方は、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
変化に強い組織を目指して、データ活用のはじめの一歩を小さく・素早く・簡単に踏み出してほしい
――最後にメッセージをお願いします。 志方さん:cookie規制の流れもあり、今後1、2年後のマーケティングの世界では、ファーストパーティデータやサードパーティデータを統合的に活用してマーケティング施策を打ち出すことが、より一層求められると思います。 そのために最初にすべきことは「データを溜めること」だと思っています。 簡単ですし費用はそこまでかからないため、既に自分たちで取り組んでいる広告主様も増えていますが、こういった動きに広告会社も対応していく必要があると考えています。 まずファーストステップとしてBigQueryにデータを溜め始めていただきたいと思います。 ネクストステップとして、業界・業種ごとの分析など蓄積したデータを活用していければ、広告会社としての大きな強みになっていくはずです。 私たちにとって、広告会社の皆様はお客様であると同時に、パートナーだと思っています。この記事を読んでいる広告運用者や運用マネージャーの方が、鮮度の高いデータ共有や広告データのBI化、データ活用に向けた環境構築にお悩みでしたら、ぜひご相談ください。 皆様が今後重要性の増すデータ活用をスムーズに始められるよう、ATOMではお客様のはじめの一歩をお手伝いをしていきたいと考えています。
話を聞いた人
志方 一央(しかた くにちか) SO Technologies株式会社 ATOM事業本部・プロダクトマーケティングマネージャー 2016年ソウルドアウト株式会社に新卒入社。広告運用オペレーション・ディレクションに従事し、2019年にはBPR部署立ち上げを経験し、運用部署全体の生産性改善に貢献。同年SO Technologies株式会社に異動し、ATOMのプロダクトマネージャーに就任。2020年グループ準MVP受賞。2021年4月より現職。 広告レポート作成自動化ツール『ATOM』