しかし売上アップのために顧客の数を増やそうと目玉商品の安売りをしたら、目玉商品が売れても、他の商品が売れず、結果的に店舗全体の売上金額は増えなかったという体験談もあります。 小売店で売上高をあげることは一筋縄ではいきませんが、店舗の売上高をあげるために何をすればよいのでしょうか。 本記事では、小売店舗で売上をあげるために以下の3点についてご説明します。 1.売上アップに大切なのはレジ客数・客単価・購入回数の三つであること 2.レジ客数・客単価・購入回数をあげるには、店舗内外の現状把握と分析が大事であること 3.店舗内外の把握と分析は難しいものではなく、高価でもないこと 実際に小売店舗の売上高をあげるためのソリューション開発会社に聞いた内容をもとに本記事をまとめました。 本記事を読めば、売上アップは難しいものではなく、楽に達成できるイメージを持つことができます。ぜひ参考にしてみてください。 売上アップの一因にもなるコスト削減のアイデア
売り上げ19%アップ!防犯カメラの映像で来店客を分析したイギリスのスーパー
2016年の記事であり、海外のものですが、防犯カメラの画像から実際に顧客の動き方を解析するアプリをインストールして店舗レイアウトの改善に生かした事例があります。来店者数が21%増加。売り上げも19%上がりました。
売り上げ19%アップ!防犯カメラの映像で来店客を分析したイギリスのスーパー最新AI技術も17,800円で導入できる!売上を2倍にするには、客数と客単価、購入回数をちょっとずつ上げればいいレジ客数・客単価・購入回数を1.3倍ずつ上げると売上が2倍に「売上」=「レジ客数」×「客単価」×「購入回数」顧客の数を増やす⇒入店せずに帰った顧客を分析しよう興味は持ったが帰ってしまった理由はなんだったのか「買わずに帰ってしまった」方のニーズ調査は身近なツールで解決できる客単価を上げる⇒お客さまの性別・年代、導線を分析しようPOSデータとの連携も効果的購入回数を増やす⇒入店から退店までの動きを解析して、品ぞろえの見直しをしよう「これまで見えなかった顧客」の把握が売り上げを左右する時代AIは十分手の届く価格で利用できるまとめ
参考:小売店の売上アップに直結するデータ解析ツール4選 〜アイビーコンより効果あり? – 株式会社トータル・エンゲージメント・グループ 来店してからどこへ向かったのか、顧客の動きや売り場の人口密度などのデータを利用し、商品棚や導線設計など店舗レイアウトの改善や来店者数に合わせたシフトの最適化などを行った結果、店内回遊率も17%あがっています。
最新AI技術も17,800円で導入できる!
事例としてイギリスのものをご紹介しましたが、日本国内でも店舗内カメラの画像解析による顧客分析は始まっています。 従業員をはりつけて来店客を数えたり、店舗全体の人の流れを把握することは実質不可能ですが、店舗内カメラとその画像の解析で「従業員の目ではとらえきれなかった顧客の行動」があきらかになります。 売り上げアップのために、顧客の買い物のしやすさを店舗のカメラ画像から読み解いて店舗の改善に生かすことは、有効な手段と言えるでしょう。 さらに嬉しいことに、この店舗内のカメラと画像解析による売り上げアップのソリューションは、実はそんなに高価ではありません。 これから店舗の画像を読み解いて売り上げアップにつなげていく手法と具体的な価格をご紹介していきます。
売上を2倍にするには、客数と客単価、購入回数をちょっとずつ上げればいい
さて「売り上げを2倍にしよう」という目標だとちょっとびっくりしてしまうかもしれません。例えば一か月の売上高が1000万円のところを2000万円にするのは途方もない目標で到底達成できません。顧客の数を増やして2倍動員すればいいと単純に考えるのも現実的ではありません。 売り上げと一口に言っても、実は細かな要素からなりたっています。その一つ一つで少しずつ数値を積み上げていくことが、売上高をあげるために必要な考え方です。
レジ客数・客単価・購入回数を1.3倍ずつ上げると売上が2倍に
例えば一か月の売上高が1000万円、1000人の顧客が客単価1000円で10回買うお店の場合を考えてみましょう。商材はちょっとした高級なお菓子で、洋菓子屋さんをイメージしてください。 このお店で売上高を2000万円まで上げようとしたとき、単一の要素だけを2倍にしようと思うと時として無理のある目標設定になってしまいます ・購入する顧客の数(レジ客数)を1000人から2000人に増やす ⇒まず顧客を増やすための販促コストがばかになりません。また2000人が買いに来ると想定して在庫を増やすこともリスクがあります ・顧客一人当たりの客単価を1000円から2000円にする ⇒よほどのヒット商品が出れば別ですが、みんながみんな今までの2倍買う事態というのは考えられません ・10回ではなく20回買いに来てもらう ⇒これもまた、よほどのヒット商品でもない限り、需要が急速に高まるということはありません。 しかし、次の通り考えるとどうでしょうか。
「売上」=「レジ客数」×「客単価」×「購入回数」
売り上げの中身をこのように細かく要素分解し、それぞれの要素で細かく数字を積み上げていくことで目標の売上高を達成できます。 ・レジ客数を1000人から1300人に増やす ⇒販促活動の工夫、あるいは入店しようと思って入らずに帰って行った方を取り込む工夫をすることで増やせそうな現実的な数字です。 ・客単価を1300円にする ⇒某バーガーショップではありませんが、何かをついで買いしてくれたら達成できそうな数字です。 ・13回買いに来てもらう ⇒これもまた、スタンプカードやクーポンなど、楽しい買い物体験を通じてリピーター客を取り込む工夫をすれば達成できそうな数字です。 それぞれの要素は少しずつの数値の上積みですが、計算すると見事に目標達成できていることがわかります。 〇顧客1300人が1300円のものを13回買うようになると売り上げは約2200万円で2倍に。 小売店の売上アップには、細かな要素の積み上げが大事なのです。
顧客の数を増やす⇒入店せずに帰った顧客を分析しよう
ではその細やかな要素の積み上げは実際に何を行っていけばよいのでしょうか。 まず顧客の数を増やす、つまりは新しく来店する顧客を増やすことです。 新しく顧客を増やすとなると「呼び込みをするの?」「チラシを配るの?」「SNSで宣伝するの?」といったところが一般的です。もちろんこの方法もありですが、実はもっと効果的な手段があります。それは、入店しようと思ったけれども入らなかった人、いわば「顧客になりそうだったのに、顧客未満で帰ってしまった人」を分析することです。
興味は持ったが帰ってしまった理由はなんだったのか
以下の例示は洋菓子屋さん店先を想定して考えてみてください。 例1)昼間、近隣企業の営業マンがちょっと店先を覗いていったが買わずに立ち去ってしまった。 ⇒仕事の訪問先に手土産でも…と思ったけれども、よい詰め合わせがなかった。 例2)夕方、幼稚園帰りの母娘が店先で立ち止まったが、買わずに帰ってしまった。 ⇒晩ごはんまでの間にちょっとお腹の足しになる小さいお菓子があれば…と思ったけれども大きなケーキしかなかった。 例3)夜、近隣企業の忘年会帰りの集団が店の前を通りかかって「お酒のあとの甘いものってうまいよな!」と叫んでいたが、買わずに帰ってしまった。 ⇒家に帰ってじっくり…ではなく今食べたい。でもケーキってあるきながら食べるのは無理だよなと判断した。 いずれも、新規に取り込めれば顧客の数が増えます。また今後継続して買ってくれる、リピーター候補でもあります。買わずに帰ってしまった新規顧客候補をうまく取り込むことが、売り上げアップの第一歩となるのです。
「買わずに帰ってしまった」方のニーズ調査は身近なツールで解決できる
買わずに帰ってしまった「顧客候補」の方のニーズ調査といっても、いちいち追いかけて理由を聞くわけにもいきません。 一つ解決策として考えられるのは、カメラで店前通行量をはかり、お店の前を通る人の数、またそのうち入店した数を計測することです。この「入店率」をアップさせるにはどうするか。これを一つのKPIとすることが、「顧客未満」だった方を「顧客」にする施策を考えるきっかけとなります。
カメラを設置して入店率を上げるってどういうこと?
こちらのページの概念図で具体的なイメージを持つことができます。 顧客行動分析AI「FollowUP」 | データセクション株式会社
実際に入店率がアップした事例はこちら
リアルA/Bテストで入店率が+3%伸びました。 株式会社exflora 様 – 導入事例詳細 | ABEJA Insight for Retail | 株式会社ABEJA 人間が常に入店カウントをするわけにはいきませんが、カメラであれば開店の時間中ずっと店前通行量と入店率を計測できます。 実はこのビデオカメラを使用した店前通行量と入店率のカウントには、AIの画像認識という技術が使われています。最新のAI技術ではカメラやセンサーなど「機械の目」で見た物体や情景について、コンピュータが自動でそれが何であるかを識別できるようにまでなりました。 つまりお店に設置したカメラに様々なものがうつる中で、「これは人間である」と識別し、人間だけをカウントできるのです。
画像解析についてより詳しく解説してある記事はこちら
AIの画像解析でできること|農業からデスクワークまで楽になる仕事5選
客単価を上げる⇒お客さまの性別・年代、導線を分析しよう
AIの技術では、「これは人間である」との識別だけではなく「これは40代の女性である」との判定もできます。 店舗の入り口と店舗内にカメラを設置することで、「40代の女性がお店に入った」「そして最初にこの棚に向かった」など、画像に写った顧客の年齢や性別や店内の経路を解析することができます。何歳くらいの方がどこで長いこと立ち止まったのか。何と何を見ていったかを確認できるようになります。 より顧客の導線に合った棚づくりができるようになり、「売れやすい商品の組み合わせ」に応じた商品配列ができるようになります。
POSデータとの連携も効果的
小売店と言えばPOS。POSはご存知の通り”Point Of Sales”の略で、お店のレジで商品が売れたときのデータです。レジで商品のバーコードを読み取ることで次の情報をリアルタイムで集めることができます。
売れた商品商品が売れた時間商品が売れた店舗売れた商品の数売れた商品の値段
また、コンビニエンスストアなどのPOSでは性別年代を手入力していたり、アパレルなどのPOSではポイントカードやお店のアプリとの連動で性別と年代を集計しているケースも多くあります。 例えばここで、このPOSデータとカメラの情報と合わせて分析してみるとどうなるでしょうか。お店の前を通って実際入店し、どの棚を回っていたか。ここまではカメラの映像がとらえており、AIによって性別と年代が把握できます。 さらに、実際に購入していった方の性別・年代はPOSで見ることができます。入店した人と購入していった人の差分、すなわち入店したけれども購入に至らなかった方の属性を把握できるのです。 せっかく入店したのに、「いい商品がないなぁ」という感想を持たれてしまっては今後の継続的な顧客にはなってもらえません。入店したけれども買わずに出ていってしまった方の属性と店内での動き方を分析することで、品ぞろえの見直しができます。
購入回数を増やす⇒入店から退店までの動きを解析して、品ぞろえの見直しをしよう
入店から退店まで、顧客の動き方を分析し、実際に買いたくなるようなお店作りを目指していくことで、「同じものを買うのでもあそこのお店にいって買い物をしたい」というお店のファンを作ることができます。 つまりリピーターを増やすことができるのです。
「これまで見えなかった顧客」の把握が売り上げを左右する時代
ここまで、小売店では以下の情報を把握し分析することが売り上げをアップする秘訣をお話しました。
入店しなかった顧客未満の方お店に入った方の性別や年代などの属性お店に入った方の動き方入店したが買わなかった方の属性や動き方
これらの情報の共通項がなにか、分かりますか。ずばり「これまで見えなかった顧客」であること。 この「見えない顧客」の把握こそが、これからの小売店の売上高を左右するキーポイントになります。 入店しなかった方、入店したあとの人の流れなど、いずれも「人の目ではとらえきることのできなかった情報」です。 しかしカメラ画像をAIで解析することによって、例えば「昼と夜では顧客の動き方が変わる」あるいは「店先のディスプレイを変更することで顧客の入店数が上がる」とわかれば、商品配置を時間帯によって変えたり、店先のディスプレイをより効果的なものに変更するといった対応ができるかもしれません。 これはすなわち、店先や店内の画像をAIで解析することで、人間の目に見えていなかったものが見えてくるということ。 かつては、ベテラン店長の経験頼みだった売り上げアップの企画が、新しく入ったばかりの店員や、他店から異動してきたばかりの店長でもできるようになります。
AIは十分手の届く価格で利用できる
これまで例に挙げたような、画像に映る人物の性別や年代などの属性を分析する技術は、AIによって成り立っています。「でもこんな最新技術お高いんでしょう~」と言いたくなるところですが、月額利用料を数社比較してみても意外とそうでもありません。 店前を通った人数のカウント、入店者カウントと言った機能を基本とし、さらにAIによる画像解析によって性別や年代などの属性分析をオプションとして加算する方法が主流です。 A社:来店数カウント16,000円+年齢性別推定30000円=46,000円 B社:来店数カウントや売上高などのPOS連携の基本機能14,800円+属性分析9,800=24,600円 C社:来店数カウントや顧客の視点計測などの基本機能と属性分析で17,800円 AIの技術により、単に店前交通量と入店率をカウントするだけではなく、カメラに映る顧客の顔を解析し、性別・年代を判定したり、数カ月以内に再来店したリピーターであることを判定するなど、より進化したマーケティング活動を行うことができます。 売上アップの一因にもなるコスト削減のアイデア
まとめ
いかがでしたでしょうか? 小売店の売上金額をあげるためには、ターゲットとなる方にできるだけ多く入店頂き、実際に買ってもらうまで、トータルで人の流れを把握することが肝心です。 現在主流となっているPOSの購買分析だけでは「入店した人のうちの実際に買ったお客さま」のことしかわからず、これから売り上げアップを目指す店舗にはいささか情報が不足しています。 店内のカメラを活用し、顧客の年齢層や性別、購買行動など、カメラ画像を防犯以外にも活用することで、より進化したマーケティング活動を行うことができるようになり、結果として売上高をよりアップさせることが可能となるのです。 ぜひ皆さまも一度、AIでの売上アップを検討してみてはかがでしょうか。 売上アップの一因にもなるコスト削減のアイデア