今まで何百というクライアントのアカウントをチェックしてきましたが、必ず確認するポイントが7つあります。 このポイントをおさえていないと基本の運用で躓いているため、改修する事で効果が簡単に上がる可能性が高いです。 具体的なチェックポイントをご紹介しますので現在の運用を見直してみて下さい。 ※今回の記事は予算が10~100万以下程度の広告規模で運用している方に最も参考になるように書きました。規模がそれ以上大きな場合は代理店にお任せする方が時間も効果も結果的に得する事もあるので検討してみて下さい。(参考初心者でもわかるリスティング広告とは?費用から運用のやり方まで徹底解説!)

リスティング広告の運用の2つの業務

リスティング広告の運用でチェックすることは大きく2つあります。日々のルーチンで確認する入札管理や予算管理と、アカウント構成に関することです。

リスティング広告の運用の2つの業務日々の入札や予算管理でチェックする2つのポイント1.入札調整は目標とのかい離で判断する2.日予算が抑制されていないか要チェックアカウント構成で見直すべき5つのポイント1.獲得上位の5~10つの注力ワードを見極める2.キーワードに合わせたマッチタイプの見直しでコストを節約3.獲得に繋がっていないクエリは除外ワードに設定する4.品質スコアを最低でも7以上にする5.グルーピングの見直しをして運用の効率を上げるまとめ

①日々のルーチンで確認する入札管理や予算管理

・入札調整を確認 ・日予算が抑制されていないかチェック 参考Web広告の自動入札とは?設定方法から活用のコツまで徹底解説

②アカウント構成に関すること

・獲得上位の5~10つの注力ワードを見極める ・キーワードに合わせたマッチタイプの見直し ・獲得に繋がっていないクエリは除外ワードに設定 ・品質スコアを最低でも7以上にする ・グルーピングの見直し 参考リスティング広告のアカウント構成とは?良し悪しを分ける3つのポイントと作成手順 まずは予算管理や入札管理をしっかりおこないましょう。もしそれでも成果が上がらない場合は、アカウント構成自体を見直す必要があります。日々の運用でチェックするポイントから順番に解説していきます。

日々の入札や予算管理でチェックする2つのポイント

1.入札調整は目標とのかい離で判断する

まずは入札調整からチェックします。日々の入札調整は管理では、当たり前ですが成果が良いワードは入札を上げ、成果が悪いワードは入札を下げます。下げても悪いままなら停止をします。成果が良い・悪いは事前に立てた目標とのかい離で検討します。一般的にはCPAやROASといった目標指標で判断する事が多いです。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫)

新キーワードの追加後と繁忙期は入札調整をする

新キーワードの追加直後 見極めを実施するためにもできれば1ページ目の7位以内には掲載したいところです。その後、デイリーペースで獲得・コストを確認し掲載位置を調整していきます。 繁忙期 繁忙期は競合も入札を強化するため、市場全体でCPCは上昇傾向になります。市場の入札価格の上昇に対し、獲得効率が比例して上がっているかどうかがチェックポイントとなります。 デイリーペースで変化を確認し、獲得効率が下がってきているようであれば、どのキーワードで落ちているのか?を把握し、調整していく必要があります。また、繁忙期でもある程度、市場のCPCが落ち着いたら入札調整は週に一度程度でも充分だと思います。

入札の上げ下げは30%程度、週に1回を目安に

入札の上げ下げについては一基準としては30%程度を目安として調整してみて下さい。ただし、大幅に順位が上がってしまった場合、コストが一気に跳ね上がる事も考あるため検索が多い事が想定される広義なワードに関しては入札後に順位とコストをリアルタイムで確認するのが良いでしょう。 ある程度、毎日の獲得やコストが落ち着いてきたら商材や競合状況、予算にもよりますが、基本的には、週に一回程度の入札調整で充分です。自動入札機能(Googleのみ)やレポートの予約機能もあるため、このような機能を使う事でより時短も図れますので是非試してみて下さい。

2.日予算が抑制されていないか要チェック

運用で最も獲得を損してしまうのが、目標内CPAで獲得が取れているのに日予算が制限されているため、件数が取れてない場合です。 目標内のCPAで獲得出来ているにも関わらず日予算により掲載が抑制されているワードがないかどうかを確認して下さい。もし抑制されてるキーワードがある場合は、日予算を上げることで目標CPA内で簡単に獲得数を伸ばす事ができます。

Googleでの確認

Googleは[ステータス]で予算による制限という項目が表示され、[検索広告のインプレッションシェア損失率(予算)]で、0%以上のものは日予算で抑制がかかっています。

Yahoo! JAPANでの確認

Yahoo! JAPANでは、Googleのように[ステータス]はないですが、[インプレッション損失率(予算)]で0%以上のものは日予算で抑制がかかっています。管理画面をチェックし、抑制されているキャンペーンがあったら予算配分を見直しましょう。日予算に掛っているかどうかの確認は管理画面でチェックが出来ます。管理画面をチェックし、抑制されているキャンペーンがあったら予算配分を見直しましょう。 複数の媒体を扱っている場合、それぞれの管理画面に毎日ログインして実績を集計するのは大変です。一か所で全部のデータを確認するためにツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。以下の資料を参考にしてみてください。 参考:ネット広告代理店の残業・業務時間削減のポイント

アカウント構成で見直すべき5つのポイント

1.獲得上位の5~10つの注力ワードを見極める

まず、運用を効率的にする際には「力を入れて運用するべき”注力ワード”」を選定します。多くのアカウントでは、コンスタントに獲得に繋がる本当に必要なキーワードは10ワード程度、という事がほとんどです。その獲得に繋がるワードに注力し運用する事で効率が2~10倍に跳ね上がる。という事例も多くあります。まずは注力するべきキーワードを選定して、集中してそのワードを改善していきましょう。注力ワードの選定は、下記を参考にして下さい。

注力ワードの選定ポイント

ある程度母数があるキーワードに絞る事で、検証等をした場合に結果を早く出す事ができPDCAが素早く回せるメリットがあります。 注力ワードが多すぎると施策が散漫になるため、数を絞って施策を集中して行っていきましょう。 月にコンスタントに獲得数上がらない場合は半年や年間のキーワードレポートから獲得数の多いベスト5程度のワードを選びましょう。 この注力ワードで試して効果があった施策に関しては、アカウント全体に展開する流れが一番効率的な運用方法です。

2.キーワードに合わせたマッチタイプの見直しでコストを節約

全キーワードを部分一致のみで登録している人は要注意の項目です。拡張機能で関係の薄いキーワードでも上位表示されてしまいコストが必要以上に掛ってしまっている事があります。獲得の中心となる注力ワードは上位表示をするため入札は強めていきたいところですが、CPC(クリック単価)を上げてコストが掛りすぎてはCPA(獲得単価)が上がってしまいます。 そこで、マッチタイプを使い分け拡張範囲をコントロールする事でコストを節約しつつ獲得数は最大化を狙う運用する方法をご紹介します。ちなみに、現在マッチタイプには「完全一致」「部分一致」「フレーズ一致」の3つがあります。マッチタイプの詳細については下記URLを参考にして下さい。 参考: キーワードのマッチ タイプについて| AdWords ヘルプ

上手なマッチタイプの設定方法

完全一致⇒拡張させず、狙ったワードで上位掲載し獲得数の最大化を狙う。 部分一致/フレーズ一致/絞りこみ部分一致⇒低CPC広く表示させる事でロングテールワードからの獲得を狙う。 [参考:登録例]
※この時に部分一致の拡張で完全一致の検索結果に表示されないように、部分一致のグループには完全一致でキーワードを除外設定しましょう。注力ワード以外は低CPCで部分一致での掲載をする事をおススメします。マッチタイプを使い分けての設定は注力ワード以外で実施すると、同じワードが複数登録されるため、逆にワード数が増え管理が煩雑になる事も考えられます。 参考:フレーズ一致|プロが教える、今さら聞けない意味と効果的な3つの使い方

3.獲得に繋がっていないクエリは除外ワードに設定する

クエリワードを確認し、もし獲得に繋がっておらず、コストが掛っているキーワードがあれば、そのワードには広告を配信しないように「除外ワード」を設定します。下記に具体的な設定ポイントを記載するので、当てはまる場合はすぐに設定してみて下さい。

除外ワードの選定ポイント

・獲得件数が0件でコストが目標CPAの2倍以上掛っているワード ・「とは」などの概要を調べるための組み合わせワード(獲得に繋がる可能性が低い) ・半年以上運用し、平均掲載順位が10位以内だが獲得件数が0件のワード ロングテールワード(複合キーワード)は1件でも獲得ができれば、目標CPA内に収まる優良ワードになる可能性があるものもあるので、獲得が0件=すぐに除外とはせずにある程度様子をみる事も必要です。運用初期であれば、月一ペースを目途に。運用が安定してきたら半年に一度程度見直しをしていきましょう。 参考:ベテラン運用者も意外と知らない 除外キーワードの正しい使いみち

4.品質スコアを最低でも7以上にする

※品質とは、Googleでは「品質スコア=QS」、Yahoo! JAPANでは「品質インデックス=QI」と呼ばれています。この記事では纏めて「品質」という記載とします。 ※品質についての詳細は下記からご確認下さい。 参考:品質スコアについて|AdWords ヘルプ 参考:品質インデックス|Yahoo! JAPANマーケティングソリューション この広告の品質を見直す事でCPCを改善する事ができます。とはいえ、キーワード全ての品質を日々意識し改善するために施策を実施するのはなかなか時間的にも難しいかと思いますので、ここでも注力ワードのみ品質を意識しましょう。品質向上のためには非常にCTRが重要であると言われています。注力ワードの品質が『6』以下であれば、広告文を追加しCTRの上昇を目指して検証をしてみて下さい。もし、検証パターンに困るようであれば下記の広告パターンでまずは試してみて下さい。

CTR上昇のために数字を用いてメリットを示し、検索ワードを含める

パターン1:数字を用いて明確にメリットを謳う →数字の根拠が明確になっている事で信頼度が上がり、ユーザーが瞬時にメリットを判断出来ます。 パターン2:競合と差別化できるメリットは”タイトル”に挿入する →広告文は、アイキャッチの強い「タイトル」でほぼ勝負が決まります。どんなにいい訴求をしても、見てもらえなければ意味がないので、見せたいメリットはタイトルに入れ込むようにします。 パターン3:検索キーワードを含める →検索ワードはユーザーが「今」興味がある事なので、検索ワードを広告に取り入れる事でユーザーの目を引く効果が期待できます。 社名や商品名等の固有名詞ワードであれば『8~10』を。その他の注力ワードの場合は、『7』以上を合格目安として目指して繰り返し検証をしてみて下さい。※キーワードと実際のLP内容等がマッチしていない場合にはどんなに検証しても低品質の場合もあります。 参考:品質スコアの改善ガイド|メリットと具体的施策

5.グルーピングの見直しをして運用の効率を上げる

グルーピングも非常に重要です。同じ意味を持つキーワードでまとめてしまいがちですが、注力ワードに関しては、同義のキーワードでグループをまとめずに別のキャンペーン・グループとする事で日予算や入札コントロールがしやすくなります。入札をコントロールしやすくなることにより、獲得数最大化を効率的にできる運用が可能となります。キーワードのまとめ方の悪い例と良い例と、具体的な改善方法を紹介します。

目標CPA:3,000円以下/予算20万円の場合

【悪い例】

キャンペーンが1つにまとまっているため、ワードごとの日予算の配分が不可 ・上記の例ではCPAや獲得数・コスト感が異なるものが全て同じキャンペーンになってしまっているため、日予算等のコントロールがしにくい。 ・ 同グループ内にコストのかかるワードが混ざっているため、そのワードの表示ばかりがされ効率の良いワードが圧迫されている状態。 ・施策を実施した際にも改善を把握するのに詳細レポートを出さないと数字の変化が分かりづらいため分析に時間がかかる。 ▼同じワードでグルーピングを見直した結果 【良い例】

改善のポイント

注力キャンペーンは分けて管理 獲得が10件以上出来ており、CPAが目標以内の「リスクル塾」「個別指導塾」は注力ワードに選定しキャンペーンを分けて管理。 この時に指名ワードと一般ワードは特性が違う事から獲得効率や施策がそれぞれ異なる場合が多いため、注力キャンペーンの中でも更に2つに分けて構成する事をおススメします。 コストが多く掛るワードは分けて管理 コストを多く利用する「塾」等のBigワードは日予算を単独でコントロールできるようにキャンペーンを分けて管理。 獲得が月0~数件でコストもあまり掛らないワードは関連性のあるワード同士を括って管理 ロングテールワードは関連性のあるワード同士を括って管理する。コストや獲得数があまりにも異なるワードが混じらないように注意する。運用の途中で数値が突出するものが出てきた場合は別管理になるように変更をする。 獲得数・コストがアカウント全体で飛びぬけて多いキーワードの場合は1グループ、1キーワードにし、キャンペーンに「注力」等と名前を付けておきましょう。 頻度高くチェックし改善していくべきワード群をまとめておく事で運用の効率が非常に上がります。

まとめ

いかがでしょうか。まずは自分の把握できる限りの注力ワードを絞り、PDCAをまわしてみてください。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫) なお、リスティング広告初心者向けの無料ガイドブックでは、中小・ベンチャー企業でもリスティング広告で効果を出す方法について60ページに渡り丁寧に解説しています。 無料でダウンロードできますので、興味のある方は参考にしてみてください。

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